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研究紹介

高精度四次元放射線治療の汎用化・堅牢化に関する研究

照射実績ログ,照射日に撮影した画像,統計形状モデルを駆使して実投与線量分布再構成法を開発しています.これにより,日々の投与線量分布が評価可能となります.現在では呼吸性移動を伴う疾患に対しても展開しています.

※本研究の一部は,「科研費(基盤研究B): 統計呼吸動体モデルを軸とした寡分割高精度放射線治療技術の開発」で実施しています.

Interfractional anatomical variationへの対応

照射期間中に変化する腫瘍体積,体重,臓器形状により,体内実投与線量分布は治療計画時と異なります.この差異を監視することで,適切な放射線治療を提供できるシステムを構築しています.

 

画像を用いた予後予測に関する研究

臨床経験を蓄積していくと,臨床的な「勘」とでも表現する以外にない,個々の患者の予後に対する漠然とした予感があると聞きます.そこで,線量処方と治療成績との間に介在する何らかの相関関係をモデル化できれば,個々の患者にとって現状よりも最適な治療計画が立案できるのではないかと考え,そのような課題に対するアプローチを探していました.
近年,従来の仮説モデル駆動型の研究手法ではアプローチが難しい部分に対して,深層学習に代表されるデータ駆動型アプローチによりモデルを創造し評価する方法論が可能になってきました.
そこで,放射線治療に用いる画像と転帰情報から,予後を予測するシステムを開発しています.
本研究は本学放射線治療科のみならず,関連病院からもデータを収集して取り組んでいます.

 

深層学習を用いた自動輪郭抽出法の開発

放射線治療計画では,CT画像上で病変と周辺臓器の輪郭を入力しますが,その作業は膨大かつ煩雑です.
そこで,高精度放射線治療で加療された患者のDICOMデータを用いて,深層学習によりCT画像上で臓器の輪郭を自動的に抽出するソフトウェアの開発に取り組んでいます.
※本研究は,株式会社Ristと共同で実施しています.

 

呼吸性移動を伴う疾患に対する高精度放射線治療に関する研究

特徴量を用いてX線透視画像上の腫瘍位置を自動検出するアルゴリズムの開発を行っております.
これまでX線透視画像上では腫瘍と周囲組織のコントラストが低いため自動検出が困難でしたが,特徴量検出技術を応用することで腫瘍位置の自動検出が可能となりました.放射線治療ではマーカーを体内に挿入し,腫瘍の動きを確認する方法が一般的ですが,侵襲的であり,かつ腫瘍自体の動きを捉えられないという欠点があります.
本手法を用いることで,マーカーを用いず,非侵襲的に腫瘍位置を検出することが可能となります. 

※本研究の一部は,「科研費(若手研究): 腫瘍動体に頑強な四次元放射線治療システムの開発」で実施しています.

放射線治療の品質管理向上に関する研究

放射線治療技術の進歩に伴い,品質管理の在り方も多様化してきています.
医学物理グループでは,ジンバル機構搭載リニアック(Vero4DRT)の追尾機能を回転系の照射法に応用し,動体追尾回転照射及びVMAT追尾照射法を実現しています.
また,品質管理の業務効率化を図るため,EPIDを用いた照射野解析システムの開発やタブレット端末を用いた品質管理システムの開発も行っています.
今まで培われてきた品質管理体制を守りながら時代に合わせた手段を開拓していくことで,放射線治療品質の更なる向上を目指しています.

 

※本研究の一部は,「科研費(若手研究): 強度変調放射線治療プランのQA結果予測システムの開発」で実施しています.

kV-X線による放射線治療の高精度化に関する研究

放射線治療は分割照射が基本であり,治療精度を向上させるには毎回の腫瘍位置をモニタリングする必要があります.
実際の照射中の腫瘍位置は治療用(メガボルト級)放射線に直交する撮像装置で,診断用(キロボルト級,メガボルトの1000分の1のエネルギー)放射線を用いて同時に透視撮影することで確認できますが,治療用放射線からの散乱線により透視画像の画質が劣化します.
そこで散乱線の影響を定量的に調べ,透視画像やコーンビームCT画像の画質の向上させる技術の開発を行います.

※本研究の一部は,バリアンメディカルシステムズと共同で実施しています.

マルチエナジーCT及びマルチエナジーコーンビームCTの放射線治療への応用に関する研究

高精度放射線治療(光子線・陽子線・重粒子線)を実現するには,放射線治療計画から照射スケジュール終了までしっかりと腫瘍位置を確認する必要があります.
治療計画や毎回の治療用(メガボルト級)放射線照射前には,ある1つのエネルギーの診断用(キロボルト級,メガボルトの1000分の1のエネルギー)放射線で撮像されたCT画像やコーンビームCT画像を用いますが,得られる画像は体内組織の吸収度合いを表しているだけであり,どこが腫瘍なのか判断しにくい場合があります.
より正確な放射線治療計画及び治療用放射線照射を実現するために,2つ以上のエネルギー(マルチエナジー)のキロボルト放射線で撮像することで,ヨード密度や原子番号などの多彩な情報から正しく腫瘍や周辺の正常組織の位置を認識する技術の開発を行います.


TrueBeam Developer modeを用いたカウチ同時駆動型照射の開発

京大病院放射線治療科が三菱重工業と共同で開発したDynamic WaveArc(DWA)照射は,患者寝台を回転させることなく非同一平面からのビームを含む波状軌跡で強度変調ビームを短時間で照射することが可能です.しかし,臨床で非同一平面方向からの強度変調ビームを照射できる手法はVero4DRTを用いたDWA照射しかありません.
そこで我々は,TrueBeamに搭載されているDeveloper modeを使用することで,DWA照射に相当するカウチ同時駆動型照射を実現しました.現在は,カウチ同時駆動型照射における品質管理手法の開発に取り組んでいます.

※5倍速
※本研究の一部は,「日本医療研究開発機構研究費 (革新的がん医療実用化研究事業) 「次世代Dynamic WaveArc照射法の開発と長期有効性・安全性の評価」で実施しています.

3Dスキャナーを用いた衝突検出システムの開発

DWAやカウチ同時駆動型照射では,放射線治療装置と患者とが衝突する危険性があります.そこで,放射線治療装置を3Dスキャナーでスキャンし,衝突を未然に防ぐことを可能とする衝突検出システムを開発しています.これまでに,Vero4DRT,TrueBeam,TrueBeam STxの衝突検出システムを開発しました.

 

ビックデータを活用した放射線治療計画支援システムの基盤開発

平成30年度の診療報酬改定により「遠隔放射線治療計画加算」が新設されました.
本研究では施設毎に異なる装置に対して最適な治療計画を提供するシステムの開発を実施しています.

※本研究の一部は,「科研費(基盤研究C): ビックデータを活用した放射線治療計画支援システムの基盤開発」で実施しています.